セイルチェアのヘッドレスト後付け!後悔しない選び方

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セイルチェアのヘッドレスト後付け!後悔しない選び方

セイルチェアにヘッドレストを後付けしたいけれど、公式の専用ヘッドレストは見つからないし、かといって自作するのは難しそうだとお悩みではありませんか?多くのユーザーが同じように感じています。

セイルチェアは元々、集中して作業するための設計思想からヘッドレストがありません。しかし、リラックスしたい場面ではやはり頭を預ける場所が欲しくなります。

この記事では、セイルチェアへのヘッドレスト後付けに関するあらゆる疑問にお答えします。最も有力な選択肢であるAtlas製ヘッドレストのメリットやデメリット、気になるコストやどこで買えるかという具体的な購入情報から、その他の代替品との互換性、設置する上での注意点まで、徹底的に解説します。後付けは最終的には自己責任となりますが、この記事を読めば、あなたのセイルチェアをより快適にアップグレードするための最適な判断ができるようになるはずです。

 

●この記事でわかること●

  • セイルチェアに後付けできるヘッドレストの種類と特徴
  • 最も有力な選択肢であるAtlas製ヘッドレストの長所と短所
  • ヘッドレストを後付けする際の具体的なコストや注意点
  • 本体の保証への影響や、代替品を選ぶ際のリスク
目次

セイルチェアのヘッドレスト後付け|基礎知識編

  • 公式には専用ヘッドレストが存在しない
  • ヘッドレストの自作はリスクが高い理由
  • Atlas製ヘッドレストという選択肢
  • 後付けによる3つのメリット
  • 考慮すべき4つのデメリット

公式には専用ヘッドレストが存在しない

公式には専用ヘッドレストが存在しない

プレステージチェア イメージ画像

まず知っておくべき最も重要な点は、ハーマンミラー社からセイルチェア公式の専用ヘッドレストは販売されていないということです。

セイルチェアは、「最小限の素材で最高のものを生み出す」というコンセプトのもと、主にデスクワークでの集中力を高めるために設計されました。そのため、体を預けてリラックスするための機能であるヘッドレストやリクライニングの固定機能は、意図的に省かれています。ハーマンミラー社の思想として、「椅子は作業に最適化すべきもので、休憩は別の場所で行う」という考え方が根底にあるためです。

このように、セイルチェアは元々ヘッドレストを付けて使用することを想定して設計されていないため、公式オプションが存在しないのです。後付けを検討する場合は、公式品ではないサードパーティー製品から選ぶ必要があることを理解しておきましょう。

補足:セイルチェアの設計思想

セイルチェアのフレームのない背もたれや前傾チルト機能は、ユーザーが正しい姿勢を維持し、作業に集中できるようサポートするためのものです。ヘッドレストがないのは、この「作業への集中」というコンセプトを徹底した結果と言えます。

ヘッドレストの自作はリスクが高い理由

公式品がないなら自作しよう、と考える方もいるかもしれませんが、セイルチェアのヘッドレスト自作は絶対におすすめできません。その理由は、セイルチェア特有の構造にあります。

一般的なオフィスチェアには、背もたれの周囲に「背フレーム」と呼ばれる枠があり、ここに金具を挟んだりネジ穴を開けたりしてヘッドレストを固定します。しかし、セイルチェアにはこの背フレームがありません。帆船の帆(セイル)のようなY字の支柱だけで背もたれのエラストマー素材を支えるという、非常に特殊な吊り橋構造になっています。

このY字支柱に安定してヘッドレストを固定するのは極めて困難です。無理に取り付けようとすると、次のような深刻なリスクが伴います。

自作に伴う危険性

  • 固定が不安定:体重をかけた際にヘッドレストが外れ、首や頭を強打する危険性。
  • 頚椎損傷のリスク:万が一事故が起きた場合、首の神経を傷つけるなど重症につながる可能性があります。
  • チェア本体の破損:無理な加工によってY字支柱や背もたれを傷つけ、チェア全体の寿命を縮める恐れがあります。
  • 保証の対象外:当然ながら、本体に加工を加えた場合はハーマンミラー社の長期保証が受けられなくなります。

このように、安全面と製品保証の両面から、自作は非常にリスクが高い行為です。時間や費用をかけても安全なものは作りにくいため、避けるべき選択肢と言えるでしょう。

Atlas製ヘッドレストという選択肢

公式品がなく自作も危険となると、選択肢はサードパーティー製の後付けヘッドレストに限られます。その中でも、最も現実的で安全な選択肢が「Atlas Headrest」社が販売するセイルチェア専用ヘッドレストです。

Atlas社は、アメリカに拠点を置くハーマンミラー製チェアのヘッドレストを専門に開発・販売している会社です。アーロンチェア用のヘッドレストで非常に高い評価を得ており、その技術とノウハウを活かしてセイルチェア専用のモデルも開発しました。

このヘッドレストは、セイルチェアの特徴的なY字支柱にボルトで挟み込んでしっかりと固定するように設計されています。本体に穴を開けるなどの改造は不要なため、チェアを傷つける心配がありません。デザインもセイルチェア本体との親和性が非常に高く、まるで純正品のような一体感を得られるのが大きな特徴です。

他の安価な汎用ヘッドレストも存在しますが、セイルチェアの特殊な形状に適合するものはほとんどありません。固定が甘かったり、デザインが浮いてしまったりすることが多いため、セイルチェアに後付けするならAtlas製が唯一無二の選択肢と言っても過言ではないでしょう。

後付けによる3つのメリット

後付けによる3つのメリット

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Atlas製の専用ヘッドレストを後付けすることで、セイルチェアの使い方が広がり、いくつかの大きなメリットが生まれます。主なメリットは以下の3つです。

Atlasヘッドレスト後付けの主なメリット

  1. リラックスシーンでも活用できる
  2. デザインの統一性が高い
  3. 安全性が確保されている

1. リラックスシーンでも活用できる

最大のメリットは、やはりリラックスできる姿勢がとれるようになることです。セイルチェアはデスクワークには最適ですが、自宅で使う場合、動画鑑賞やゲーム、少し考え事をしたい時など、背もたれに深くもたれたい場面も多いはずです。ヘッドレストがあれば、約5kgもある頭の重さを支えてくれるため、首や肩の緊張が和らぎ、快適なリラックスタイムを過ごせます。

2. デザインの統一性が高い

Atlasのヘッドレストは、セイルチェア専用に設計されているため、後付けとは思えないほどデザインがマッチします。素材の質感や色合いはもちろん、ヘッドレストを支える支柱部分もセイルチェアのY字のデザインを踏襲しており、どの角度から見ても違和感のない美しい仕上がりです。チェアが持つ洗練された雰囲気を損なうことがありません。

3. 安全性が確保されている

サードパーティー製品で最も懸念されるのが安全性ですが、Atlasのヘッドレストはその点も安心です。前述の通り、Y字支柱を挟み込んでボルトで確実に固定するため、使用中にぐらついたり、突然外れたりする心配はほとんどありません。過去には非公式のヘッドレストが原因で重症を負う事故も報告されていますが、Atlas製品はそのようなリスクを最小限に抑えた設計になっています。

考慮すべき4つのデメリット

考慮すべき4つのデメリット

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多くのメリットがある一方で、Atlas製ヘッドレストにはいくつかのデメリットや注意点も存在します。購入してから後悔しないよう、以下の4つのポイントを事前に把握しておくことが重要です。

Atlasヘッドレスト後付けの主なデメリット

  1. コンパクトさが失われる
  2. 調整機能は高さのみ
  3. 価格が高額である
  4. 購入方法が限定的で納期がかかる

1. コンパクトさが失われる

セイルチェアの魅力の一つは、そのコンパクトで圧迫感のないデザインです。ヘッドレストを取り付けることで、どうしても全体のボリュームが増し、このコンパクトさが損なわれてしまいます。部屋のインテリアやスペースとの兼ね合いを考える必要があります。

2. 調整機能は高さのみ

Atlasのセイルチェア用ヘッドレストは、調整機能が上下の高さ調整のみで、角度調整には対応していません。ただし、「3Dサポート」という機能があり、ヘッドレスト下部がしなる素材でできているため、頭の動きにある程度追従するようになっています。とはいえ、アーロンチェア用モデルのように細かな角度調整を期待していると、物足りなさを感じるかもしれません。

3. 価格が高額である

ヘッドレスト単体として見ると、価格は決して安くありません。公式サイトでの定価は3万円台後半で、セール時でも2万円台になることが多いです。チェア本体の価格を考えると妥当かもしれませんが、追加投資としては大きな金額になります。しかし、自作のリスクや他の選択肢のなさを考えると、価値ある投資と捉えることもできます。

4. 購入方法が限定的で納期がかかる

現在、このヘッドレストはAtlas公式サイトでしか購入できません。Amazonや楽天市場などの国内大手通販サイトでは取り扱いがなく、海外からの個人輸入という形になります。そのため、注文してから手元に届くまで数週間から、場合によっては3ヶ月以上かかることもあります。すぐに手に入れたいと考えている方には大きなデメリットとなります。

セイルチェアのヘッドレスト後付け|購入実践編

  • 気になる後付けのコストについて
  • Atlas製ヘッドレストはどこで買える?
  • 購入前に確認すべき注意点
  • 代替品とセイルチェアの互換性
  • 保証は?最終的には自己責任での判断
  • セイルチェアのヘッドレスト後付けは慎重に

気になる後付けのコストについて

Atlas製ヘッドレストを後付けする際の総コストは、主に製品価格と、場合によっては送料や関税で構成されます。

製品価格については、前述の通り、定価で約36,000円〜38,000円台が目安です。ただし、Atlas公式サイトでは頻繁にセールが開催されており、そのタイミングを狙えば2万円台前半で購入できることもあります。購入を検討する際は、急ぎでなければセール期間を待つのが賢明でしょう。

項目 価格目安 備考
定価 約 ¥36,000 ~ ¥38,000 為替レートにより変動します。
セール価格 約 ¥23,000 ~ セールは不定期に開催されます。
送料 無料の場合が多い 購入時に公式サイトで確認が必要です。
関税・消費税 かかる可能性がある 購入金額によりますが、16,666円を超える場合は課税対象になる可能性があります。

送料は無料キャンペーンを行っていることが多いですが、これも購入時の条件をしっかり確認する必要があります。また、海外からの個人輸入になるため、日本の関税法に基づき、商品価格によっては関税や輸入消費税が別途かかる可能性があります。これらの追加費用も考慮に入れて、総コストを計算することが大切です。

Atlas製ヘッドレストはどこで買える?

繰り返しになりますが、セイルチェア用のAtlas製ヘッドレストを購入できるのは、原則として「Atlas Headrest」の公式サイトのみです。

Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどで検索すると、アーロンチェア用のAtlas製ヘッドレストは日本の正規代理店から販売されていますが、セイルチェア用は2025年10月現在、国内での正規販売は確認できていません。

公式サイトでの購入手順

 

 

  1. Atlas Lifestyleの公式サイトにアクセスします。(言語を日本語に切り替え可能です)
  2. 製品ページで「Herman Miller Sayl Cervinow Headrest」を選択します。
  3. カラーなどを選び、カートに追加します。
  4. 配送先住所(英語表記)や支払い情報(クレジットカード等)を入力し、注文を確定します。

公式サイトは日本語に対応しているため、英語が苦手な方でも比較的スムーズに購入手続きを進めることができます。ただし、住所入力は英語表記が求められる場合があるため、事前に自身の住所の英語表記を調べておくと良いでしょう。

購入前に確認すべき注意点

公式サイトから購入する際には、いくつか事前に確認しておくべき注意点があります。これらを把握しておくことで、スムーズな取引につながります。

納期の長さ

最も注意すべき点は納期です。海外からの発送となるため、配送状況によっては到着まで1ヶ月以上かかることも珍しくありません。すぐに使用したい場合は、この納期を許容できるかよく考える必要があります。注文後は、発送通知メールに記載される追跡番号で配送状況を確認しましょう。

支払いと為替レート

支払いは米ドル建てになります。そのため、クレジットカードで決済する場合、実際に請求される日本円の金額は、決済日の為替レートによって変動します。表示されている日本円価格はあくまで目安として捉えておきましょう。

返品・保証ポリシー

Atlas社は1年間の製品保証と30日間の返品ポリシーを設けています。(参照:Atlas Lifestyle公式サイト)万が一、製品に不具合があった場合や、どうしても体に合わなかった場合の対応について、事前にサイトで内容を確認しておくと安心です。

代替品とセイルチェアの互換性

「Atlas製は高価で納期もかかるから、他の安価な代替品はないのか?」と考える方もいるでしょう。しかし、結論から言うと、セイルチェアに適合する信頼性の高い代替品を見つけるのは非常に困難です。

市場には様々な汎用タイプの後付けヘッドレストが存在しますが、その多くはセイルチェアのようなフレームレス構造には対応していません。無理に取り付けようとすると、以下のような問題が発生しやすくなります。

汎用ヘッドレストの問題点

  • 固定ができない・不安定:セイルチェアのY字支柱をしっかりと掴める構造になっていないため、すぐにズレたり外れたりする。
  • チェア本体へのダメージ:無理な力で固定しようとすると、背もたれのエラストマー素材や支柱を傷つける恐れがある。
  • デザインの不一致:汎用品のため、セイルチェアの洗練されたデザインとは合わず、見た目のバランスが大きく崩れる。

アーロンチェア用のヘッドレストを流用しようと考えるケースもありますが、アーロンチェアとセイルチェアでは背もたれのフレーム形状が全く異なるため、これも不可能です。安価な代替品を探して失敗するリスクを考えると、最初から専用設計のAtlas製を選ぶのが最も確実で、結果的にコストパフォーマンスも高いと言えるでしょう。

保証は?最終的には自己責任での判断

後付けパーツで最も気になるのが、ハーマンミラー社の12年という長期保証への影響です。ハーマンミラーの保証規定では、「お客様で製品の分解や改造がされていないこと」が条件とされています。(参照:ハーマンミラー メンテナンス公式サイト

この点について、Atlas社は「指示に従って取り付けられた場合、ヘッドレストは椅子の保証を無効にすることはない」と公式サイトで明言しています。その理由は、Atlas製ヘッドレストがチェア本体に穴を開けたり接着したりする「改造」にはあたらない、という見解に基づいています。プラスチックのパーツで支柱を挟み込むだけなので、いつでも原状復帰が可能です。

しかし、これはあくまでAtlas社の見解です。万が一、ヘッドレストの取り付けが原因でチェアに不具合が生じたとハーマンミラー社が判断した場合、その部分に関する保証が受けられなくなる可能性はゼロではありません。

基本的には保証が継続されると考えて問題ないと思われますが、100%ではありません。ヘッドレストを取り付けるという行為は、最終的には自己責任での判断となることを理解しておく必要があります。もし心配な場合は、購入前にハーマンミラーの正規販売代理店に問い合わせてみるのも一つの手です。

セイルチェアのヘッドレスト後付けは慎重に

この記事では、セイルチェアへのヘッドレスト後付けについて、様々な角度から解説してきました。最後に、重要なポイントをリストでまとめます。

  • セイルチェアに公式の専用ヘッドレストは存在しない
  • 設計思想として元々ヘッドレストは想定されていない
  • 背もたれの特殊な構造上、ヘッドレストの自作は非常に危険
  • 後付けするならAtlas製のセイルチェア専用品が唯一の現実的な選択肢
  • Atlas製はデザインの親和性と安全性が高い
  • 後付けのメリットはリラックスできること
  • デメリットはコンパクトさが失われる点や価格、納期
  • 調整機能は高さ調整のみで角度調整はできない
  • コストはセール時で2万円台から、定価は3万円台後半が目安
  • 購入はAtlasの公式サイトから個人輸入する必要がある
  • 納期は数週間から数ヶ月かかる場合がある
  • 安価な代替品は互換性がなくリスクが高い
  • Atlas製は本体を改造しないため保証は継続される可能性が高い
  • ただし後付けは最終的には自己責任での判断となる
  • 全ての情報を理解した上で、慎重に検討することが後悔しないための鍵

 

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この記事を書いた人

長年の編集者生活において、心身の不調をきっかけに「パフォーマンスを左右するツール」としての椅子の重要性を痛感。その経験から世界中のワーキングチェアを探求し、編集者ならではの客観的な視点と徹底したリサーチに基づき、専門的な情報を分かりやすく発信しています。あなたの健康と生産性を高める「運命の一脚」との出会いを誠実にサポートします。

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