エンボディチェアとゲーミングモデルの違いは?座り心地と熱対策を比較
こんにちは。プレステージチェア、運営者の「RYO-MA」です。
ハーマンミラーの最高峰モデルとして名高いエンボディチェアですが、購入を検討する際に多くの人が悩むのが、スタンダードモデルとロジクールGとのコラボモデルであるゲーミングエンボディチェアのどちらを選ぶべきかという点ではないでしょうか。
見た目のデザインだけでなく、座り心地や機能面にどのような違いがあるのか、価格差に見合う価値はあるのか、気になっている方も多いはずです。
特に長時間座り続ける環境では、シートの硬さや熱のこもり具合、そして前傾姿勢へのサポート力が快適性を大きく左右します。
また、後付けヘッドレストであるアトラスの互換性や、中古市場での入手性、保証期間の違いなども見逃せないポイントです。
この記事では、これら二つのモデルの違いを徹底的に比較し、あなたの使用環境や体格に最適な一脚を見つけるためのお手伝いをします。
- スタンダードモデルとゲーミングモデルの決定的な構造の違い
- 座面の硬さや通気性が実際の作業効率に与える影響
- それぞれのモデルが推奨されるユーザーのタイプ別診断
- 購入前に知っておくべき保証やカスタマイズの注意点
エンボディチェアとゲーミングモデルの違い【比較編】
まずは、両モデルの間に存在するスペック上の違いや、実際に座ったときに感じるフィジカルな差異について、構造的な観点から深掘りしていきましょう。
単なる色の違いだけではない、メーカーの意図が見えてきます。
ゲーミングモデルの座り心地と硬さ

エンボディチェアのスタンダードモデルとゲーミングモデルを座り比べたとき、最初に感じる最も大きな違いは「座面の硬さと感触」です。
本来のスタンダードモデルは、座面の下にある「ピクセル構造」と呼ばれる独立したコイルのようなパーツが、お尻の形に合わせてダイレクトに動く感覚が特徴です。
これは非常に独特な浮遊感を生み出しますが、一方で「プラスチックの粒感」や「少し硬い」と感じる人もいました。
これに対し、ゲーミングモデルでは座面のクッション層に大きな改良が加えられています。
具体的には、ピクセル構造の上に追加のフォーム層(ウレタンのようなクッション)が挟み込まれています。
これにより、ピクセルのゴツゴツとした感触がマイルドになり、より一般的なソファや高級チェアに近い、しっとりとした座り心地に仕上がっています。
ここがポイント
- スタンダードモデル ⇒ ピクセルの動きをダイレクトに感じる、やや硬めで反発力のある座り心地。
- ゲーミングモデル ⇒ 追加フォームにより、お尻の沈み込みが深く、当たりが柔らかい。
長時間のプレイでお尻が痛くなるのを防ぎたいゲーマー向けのチューニングと言えますが、柔らかい座り心地を好むデスクワーカーにとっても、ゲーミングモデルの方が馴染みやすい場合が多いですね。
▼ あなたの好みはどっち?
【柔らかめが好き】
【硬めが好き】
銅入りフォームと蒸れにくい熱対策

ゲーミングチェアとしての機能を強化するために導入されたのが、「クーリングフォーム」と呼ばれる技術です。
ロジクールGとの共同開発により、ゲーミングモデルの座面と背面のフォームには、熱伝導率の高い「銅粒子」が注入されています。
これはパソコンのCPUクーラーと同じような発想で、身体から発せられる熱を座面全体に素早く拡散させ、一箇所に熱がこもるのを防ぐ役割を果たします。
ハーマンミラーゲーミングの公式サイトでは、この独自フォームがいかにして熱を逃がし、プレイヤーの心拍数を下げてパフォーマンスを維持するかについて、科学的なデータと共に紹介されています。
実際に座ってみると、ひんやりするわけではありませんが、長時間座っていても「ジトッ」とした熱気を感じにくい設計になっています。
通気性に関する注意点
ただし、物理的な「通気性」という点では、スタンダードモデルで選択できる「バランス生地(Balance Fabric)」の方が圧倒的に優れています。
バランス生地はメッシュのように穴が空いているため、空気そのものが通り抜けます。
極度の暑がりの方は、銅入りフォームよりもバランス生地を選んだ方が快適かもしれません。
\通気性最強の「バランス生地」を選べるのはスタンダードモデルだけ/
なお、「メッシュ座面とクッション座面、結局どっちが蒸れにくいの?」という素材選びの基準は、こちらで体系的にまとめています。迷っている方は先に全体像を掴むと判断がラクになります。
▼参考記事

前傾姿勢へのサポート力の差
両モデルともリクライニングや背もたれの調整機能(バックフィット)の可動域自体は同じメカニズムを使っています。
しかし、ユーザーの間では「ゲーミングモデルの方が背もたれが立っているように感じる」という声が多く聞かれます。
これは、背もたれに含まれるクッションの厚みが関係しています。
ゲーミングモデルは背面にも追加のフォームが入っているため、その厚みの分だけ背中が前に押し出されます。
結果として、最も背もたれを起こした状態(アップライトポジション)において、スタンダードモデルよりも数度ほど垂直に近い角度で身体が保持されることになります。
キーボード入力や、モニターに顔を近づけて集中するFPSゲームなど、やや前傾気味の姿勢をとることが多い方にとっては、この「背中を押してくれる感覚」が非常に頼もしく感じられるはずです。
逆に、ゆったりと後傾姿勢でリラックスしたい場合は、スタンダードモデルの方が圧迫感が少ないと感じるかもしれません。
きしみ音の改善と静音性
エンボディチェアは、その複雑なピクセル構造と樹脂パーツの多さから、身体を動かした際に「ギシギシ」というきしみ音(ノイズ)が発生しやすいという弱点がありました。
ゲーミングモデルでは、このノイズ問題に対しても対策が講じられているようです。
もちろん個体差はあるものの、多層構造になったクッションフォームが吸音材のような役割を果たしているのか、あるいはパーツ間の噛み合わせが見直されているのか、初期のスタンダードモデルに比べて動作音が静かになっている傾向があります。
深夜にボイスチャットを繋ぎながらゲームをする際や、静かなオフィス環境で使用する場合、椅子から鳴る異音はストレスの原因になります。
静音性を重視するのであれば、設計が新しいゲーミングモデル、もしくは製造年が新しいスタンダードモデル(改良版)を選ぶのが無難です。
バランス生地とSyncの比較

見た目の印象を大きく変えるのがファブリック(張り地)の種類です。
ここが選択の大きな分かれ道になります。
| 項目 | Sync(ゲーミング標準) | Balance(スタンダード選択可) |
|---|---|---|
| 触り心地 | しっとり、滑らか | さらさら、メッシュ感 |
| グリップ力 | 高い(滑りにくい) | 低い(滑りやすい) |
| 通気性 | 普通(フォームで熱拡散) | 最高(空気が通る) |
| 価格 | 標準価格に含まれる | 高額オプション |
ゲーミングモデルに採用されている「Sync(シンク)ファブリック」は、耐久性が高く、適度な摩擦(グリップ力)があるのが特徴です。
精密なマウス操作を行う際、身体がズルズルと滑ってしまうとエイムが定まりません。
そのため、身体をしっかりホールドしてくれるSync生地が採用されています。
一方、スタンダードモデルで選べる「Balance(バランス)ファブリック」は、クッション層を持たないサスペンション生地で、通気性が抜群です。
ただし、表面が滑りやすいため、姿勢を固定したいゲーマーには不向きな場合もあります。
リラックス重視ならBalance、作業・ゲーム集中ならSyncをおすすめします。
エンボディチェアとゲーミングモデルの違い【正解はどっち?】
機能的な違いを理解したところで、次は「購入」という視点から、どちらがあなたにとっての正解なのかを判断するための材料を提供します。
ヘッドレストのアトラス互換性

エンボディチェアにはメーカー純正のヘッドレストが存在しませんが、サードパーティ製でありながら事実上の標準オプションとして認知されているのが「Atlas(アトラス)ヘッドレスト」です。
「ゲーミングモデルだとヘッドレストが付かないのでは?」と心配される方もいますが、ご安心ください。
アトラス社からは、ゲーミングエンボディ専用のモデルも発売されています。
ゲーミングモデル用のヘッドレストは、本体と同じ「Syncファブリック」を使用し、背面のプラスチックパーツの色(シアンや黒など)に合わせたデザインになっています。
スタンダードモデル用ももちろんありますので、どちらのチェアを選んでも、後からヘッドレストを追加して快適なリクライニング環境を構築することが可能です。
互換性を気にしてモデル選びを躊躇する必要はありません。
なお、Atlasの「必要性(首がラクになるのか)」「取り付けで傷つかないか」「国内で安全に買う方法」まで含めて、こちらで詳しく解説しています。
▼参考記事

価格差とコストパフォーマンス
定価ベースで見ると、時期や為替によって変動はありますが、実はゲーミングモデルの方がコストパフォーマンスが高いという逆転現象が起きやすいのをご存知でしょうか。
スタンダードモデルで、ゲーミングモデルと同等のスペック(フルアジャスタブルアーム、高機能生地など)をBTO(受注生産)で組もうとすると、オプション料金が加算され、結果的にゲーミングモデルよりも高額になるケースが多々あります。
また、ゲーミングモデルは「パッケージ製品」として在庫を持って販売されていることが多く、Amazonのセールや楽天スーパーセールなどで割引の対象になることがあります。
一方、スタンダードモデルは受注生産が基本のため、大幅な値引きが行われることは稀です。
「すぐ届く」「比較的割安」という点で、ゲーミングモデルは非常に優秀な選択肢と言えます。
後悔しないためのモデル選び


どちらを選んでも非常に高額な買い物ですから、後悔はしたくありませんよね。
最終的な決め手となるのは「部屋のインテリア」と「座り心地の好み」です。
- 黒を基調としたデスク環境を作りたい。
- お尻が沈み込むような、柔らかい座り心地が好き。
- 少しでも安く、早く手に入れたい。
- ゲームやPC作業で前傾気味になることが多い。
- 白フレームや明るい色のファブリックで部屋をオシャレにしたい。
- 「バランス生地」による究極の通気性を求めている。
- 硬めの座り心地で、ピクセルの動きをダイレクトに感じたい。
- 「ゲーミング」という名称やロゴデザインに抵抗がある。
身長や体格に合った調整機能
両モデルとも、座面の高さ、座面の奥行き、アームの幅や高さ、リクライニングの硬さなど、調整機能の範囲は全く同じです。
ただし、前述の通りゲーミングモデルは座面のクッションが厚いため、座った瞬間の沈み込みが深くなります。
そのため、小柄な方や体重が軽い方でも、座面の硬さを感じにくいというメリットがあります。
逆に、非常に大柄な方の場合、スタンダードモデル(特にバランス生地)だとハンモックのように沈み込みすぎてしまい、フレームに身体が触れてしまう可能性もゼロではありません。
その点、高密度ウレタンが入っているゲーミングモデルの方が、底付き感がなくしっかりと体重を支えてくれる感覚が強いでしょう。
基本的にはどちらも幅広い体格に対応していますが、体重が重めの方はゲーミングモデルの方が安心感があるかもしれません。
保証期間と中古購入のリスク
ハーマンミラー製品の最大の魅力である「12年保証」は、スタンダードモデル、ゲーミングモデルの両方に適用されます。
ガスシリンダーなどの消耗しやすいパーツも含めて12年間保証されるのは、他のオフィスチェアにはない圧倒的なメリットです。
しかし、この保証は「最初の購入者(ファーストオーナー)」にしか適用されません。
フリマアプリやオークションなどで「新品同様」の中古品が安く出回っていることがありますが、これらを購入した場合、万が一故障しても無償修理を受けることはできません。
エンボディチェアは構造が複雑なため、修理費用も高額になりがちです。
目先の数万円の安さにつられて中古品を買うよりも、正規販売店から購入して12年間の安心を買う方が、長い目で見れば確実に得策です。
中古全般の「保証切れ・衛生面・修理費」の落とし穴は、こちらで具体例つきで整理しています。
(中古検討者は一度だけでも目を通すのがおすすめです)
▼参考記事

総括:エンボディチェアとゲーミングモデルの違い
最後にまとめます。エンボディチェアのスタンダードモデルとゲーミングモデル、どちらも素晴らしい椅子であることに変わりはありませんが、その性格は微妙に異なります。
ゲーミングモデル
座面のクッション性を高め、熱対策を施した、いわば「エンボディの快適性強化バージョン」です。
長時間モニターに向かう現代のワークスタイルやゲームプレイには、こちらの方が適していると感じる人が多いでしょう。
スタンダードモデル
豊富なカラーカスタマイズや、通気性特化のバランス生地が選べるという、オーダーメイドスーツのような良さがあります。
インテリアにこだわりたい方や、特定の座り心地を追求したい方には唯一無二の存在です。
私の結論としては、「特にこだわりがなければ、コスパと機能バランスに優れたゲーミングモデル」を、「部屋の雰囲気や通気性を最優先するならスタンダードモデル」をおすすめします。
あなたのデスク環境を最高のものにするために、ぜひ最適な一脚を選んでくださいね。
