椅子のガスシリンダーが抜けない!交換のコツ&最強の外し方

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椅子のガスシリンダーが抜けない!交換のコツ&最強の外し方

こんにちは。プレステージチェア、運営者の「RYO-MA」です。

愛用しているオフィスの椅子の高さ調整ができなくなって、いざガスシリンダーを交換しようとしたら

「びくともしない!」

「全く抜ける気配がない」

と絶望している方、実はものすごく多いんです。

ネットで調べてハンマーで叩いたり、5-56のような潤滑剤を吹きかけたりしても、ガチガチに固着していて回らないし外れない。

もしかして逆ネジなの?と疑いたくなる気持ち、痛いほどよくわかります。

でも安心してください。正しい手順と道具を使えば、その頑固なシリンダーは必ず外せます。

今回は、多くの人がつまずく交換や廃棄の壁を乗り越えるための、具体的な外し方を私の経験を交えてお話しします。

この記事のポイント
  • なぜガスシリンダーがこれほど強力に固着して抜けないのかという原因
  • ハンマーやパイプレンチを使った、物理法則に基づく効果的な外し方
  • アーロンチェアやAKRacingなど、モデル別の注意点や対処法
  • 交換後の古いガスシリンダーを安全に処分するための廃棄ルール
目次

椅子からガスシリンダーが抜けない原因と準備

まずは、敵を知ることから始めましょう。

「なぜ、ただ座っていただけなのに、ここまでガッチリとハマってしまうのか」という疑問を解消します。

実はこれ、故障ではなくて椅子の構造上、避けられない現象なんですね。

ここでは固着のメカニズムと、戦いに挑むために絶対に用意しておくべき道具や心構えについて、しっかりと解説していきます。

ハンマーを使った正しい外し方とコツ

多くの人が最初に試すのが「ハンマーで叩く」という方法ですが、実はこれ、ただ力任せに叩けばいいというわけではありません。

叩き方と使うハンマーの種類が勝負を分けます。

大前提:ゴムハンマーやプラスチックハンマーでは、ほぼ太刀打ち不可能。

これらのハンマーは衝撃を吸収するように作られているので、頑固な錆びによる結合を破壊するだけの「鋭い衝撃」が伝わらないんですね。

おすすめ:しっかりとした重さのある金属製のハンマー(大ハンマーやセットハンマー)

打撃のポイント

脚部(スターベース)を浮かせた状態で、シリンダーの底面リム部分を狙います。

この時、脚部自体の重さを利用するのがコツ。

叩いた瞬間の衝撃でシリンダーが留まり、脚部が慣性で下に落ちようとする力を利用するんです。

「コンコン」と遠慮がちに叩くのではなく、一撃必殺のつもりで「ガツン!」と金属音を響かせる必要があります。

ただし、床を傷つけるリスクが高いので、必ず厚手の段ボールや板を敷いて作業してくださいね。

5-56やラスペネ等の潤滑剤を使う

錆びついたオフィスチェアのガスシリンダー接続部に、浸透潤滑剤(ラスペネ)を吹きかけている様子。潤滑剤を塗布した後は一晩待つことが重要であることを、テキストと時計のアイコンで強調している。
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物理的な衝撃を与える前に、化学の力で相手を弱らせておくのが賢い戦略です。

ここで登場するのが浸透潤滑剤ですが、使い方が重要です。

一般的な「KURE 5-56」でも効果はありますが、もし予算が許すなら、プロのメカニックも愛用するWAKO’S ラスペネをおすすめしたいところです。

これは浸透力が段違いで、目に見えないミクロの隙間に入り込んでくれます。

重要なのは、スプレーしてすぐに叩かないこと。「待つ」時間が何より大切です。

  • 接続部分の汚れを拭き取り、隙間にたっぷりとスプレーする。
  • 可能なら椅子をひっくり返して裏側からも吹く。
  • そして、最低でも一晩(数時間〜24時間)放置する。

この「漬け置き」をするだけで、翌日の作業難易度がガラッと変わりますよ。

パイプレンチで回すと抜ける理由

オフィスチェアのガスシリンダーと脚部ベースの接続部分の断面図解。円錐状のモールステーパー構造が深く嵌合し、接触部全体に赤茶色の錆が発生して強力に固着している様子を示すテクニカルイラスト。
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ハンマーで叩いてもダメな場合、次に試すべき最強の武器が「パイプレンチ」です。

なぜこれが有効かというと、椅子のシリンダー接続は「モールステーパー」という円錐状の嵌め合い構造になっているからです。

この構造は、上から荷重がかかる(座る)と食い込む力は強いですが、「回転方向(ねじり)」の力には比較的弱いという特徴があります。

つまり、錆びついて接着剤のようになってしまった結合部を、無理やりねじって「縁を切る」わけです。

道具選びの注意点

作業場で、男性が大型の赤いパイプレンチを使い、全力を込めてオフィスチェアのガスシリンダーをねじ回して外そうとしている様子。シリンダーにはレンチによる傷が見える。

ここでケチってはいけません。

柄の長さが短いレンチではトルク(回す力)が足りません。

必ず450mm(18インチ)以上の大型パイプレンチを用意してください。

これを使って、体重をかけて「バキン!」と回します。

当然、シリンダーの表面はレンチの歯でガリガリに傷つきますが、交換して捨てる部品なので気にしてはいけません。「回れば勝ち」です。

アーロンチェア等の外し方の注意点

ハーマンミラーのアーロンチェアのような高級チェアの場合、構造が少し特殊で、シリンダーの上部が座面メカニズムの中に深く入り込んでいることがあります。

そのため、パイプレンチを噛ませるスペースがない場合があるんですね。

そんな時に海外のフォーラムなどでよく紹介されているのが「ソケットハンマー法」です。

ソケットハンマー法とは?

高級オフィスチェアの座面裏側にあるガスシリンダーの先端に、金属製のディープソケットをあてがい、ハンマーで叩いて外そうとする「ソケットハンマー法」の作業手順を示す様子。
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シリンダーの先端(調整ピンがある細い部分)に、自動車整備などで使う「17mm前後のディープソケット」を被せます。

そして、そのソケットの上からハンマーでガンガン叩くという荒技です。

これにより、座受金具を傷つけずに、内部からシリンダーを押し出す力が働きます。

高級チェアは部品の精度が高く、嵌合も強固になりがちです。

無理をしてメカニズム部分を壊すと修理費が高額になるので、自信がない場合はプロに任せるのも一つの勇気ある決断かなと思います。

100均や家庭用工具での代用は困難

「家にある道具でなんとかならないかな?」

と思う気持ちは分かりますが、正直なところ、100円ショップの工具や、家具組み立て用の簡易的なセット工具では、ガスシリンダーの固着には太刀打ちできません。

相手は何年もの間、あなたの体重を受け止め続けて、金属同士が原子レベルで一体化しかけている状態です。

これを引き剥がすには、それ相応のエネルギーが必要です。

  • 軽いゴムハンマー → 衝撃が逃げる
  • 小さなモンキーレンチ → 力が足りず、滑って危険
  • 一般的な潤滑スプレー → 浸透力が足りない場合がある

DIYで修理費用を浮かせたいなら、まずは「勝てる道具」への投資が必要です。

結果的にそれが一番の近道になり、怪我のリスクも減らせます。

椅子からガスシリンダーが抜けない時の最終手段

あらゆる物理攻撃と化学兵器(潤滑剤)を駆使しても、それでもなお「抜けない」というケースは存在します。

こうなると、もう気合や根性論ではどうにもなりません。

ここでは、そうした絶望的な状況を打開するための最終手段や、発想の転換による解決策、そして外した後の処理についてご案内します。

逆ネジではないが固着は強力である

作業をしていて全く動かないと、「これ、もしかして逆ネジ(左ネジ)なんじゃないか?」と疑心暗鬼になることがあります。

右に回しても左に回してもビクともしないのですから当然です。

しかし、結論を言うと、一般的なオフィスチェアのガスシリンダー嵌合部にネジは切られていません。

ただの円錐状の筒が突き刺さっているだけです。

「抜けない」正体は、長年の荷重による圧入(食い込み)と、金属同士の接触部で発生した微細な錆(フレッティング腐食)による固着です。

これは時として溶接されたかのような強度を持ちます。「逆ネジかも?」と迷って手加減する必要はありません。

どちらの方向でもいいので、とにかく回して摩擦結合を断ち切ることが正解です。

専用工具や外し方キットを利用する

オフィスチェアのガスシリンダーに取り付けられた専用のプーラー型取り外し工具。レンチでボルトを締め込み、シリンダーを引き抜く仕組みが示されている。
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ハンマーの音を出せない環境だったり、体力に自信がなかったりする方には、「シリンダー取り外し専用工具」という文明の利器があります。

Amazon楽天などで「シリンダー 交換 キット」などで検索すると見つかることがあります。

工具のタイプ特徴メリット
プーラー型ボルトの力で引き抜く打撃音がなく静か
リング固定型2つのリングを押し広げる強力なジャッキ効果

これらの工具は、ボルトを締め込む力を使って、物理的にシリンダーを引き抜きます。

数千円の出費にはなりますが、床を叩くリスクもなく、静かに、そして確実に抜くことができるため、非常にスマートな解決策と言えます。

AKRacing等はベースごと交換する

ゲーミングチェア大手のAKRacingなどでは、固着したシリンダーを抜く苦労をスキップできるような補修パーツの販売を行っていることがあります。

具体的には、「脚部(スターベース)+ガスシリンダー+座受アタッチメント」がセットになったものを購入し、座面の下をごっそり新品に入れ替えてしまうという方法です。

「抜けないなら、抜かなくていいじゃない」という発想の転換ですね。

コストはかかりますが(1万円前後〜)、錆びついた金属と格闘して半日潰す労力を考えれば、実は最もコストパフォーマンスが良い選択肢かもしれません。

特に座受側の固着がひどい場合は、この方法が精神衛生的にもおすすめです。

交換用シリンダーの規格と選び方

苦労してシリンダーを外しても、新しい部品が合わなければ意味がありません。

実はガスシリンダーには、ある程度の業界標準規格があります。

確認すべき3つのサイズ
  • アウターケース径:約50mm(50.8mm/2インチ)が一般的です。
  • インナーシャフト径:約28mmが主流ですが、稀に異なるものがあります。
  • 全長とストローク:座面の高さに関わります。「短尺」や「長尺」を選ぶことで、座面の高さを自分好みにカスタムも可能です。

購入前には必ず、外したシリンダー(または外す前のシリンダー)をノギスで計測してください。

「汎用品だから大丈夫だろう」という過信は禁物です。

外したシリンダーの廃棄と処分方法

無事に交換が終わってホッとしているところに残るのが、古いガスシリンダーという「危険物」です。

燃えないゴミとして適当に捨ててはいけません。

シリンダー内部には高圧の窒素ガスとオイルが封入されています。

不用意にドリルで穴を開けようとすると、高圧ガスと共に金属片やオイルが噴出し、失明や大怪我をする恐れがあり大変危険です。

実際、スプレー缶やガスボンベの穴あけ作業による火災や破裂事故は後を絶たず、
国民生活センターや環境省などの公的機関も強く注意喚起を行っています。

リンク:独立行政法人 国民生活センター「スプレー缶製品・カセットボンベによる事故の防止策」

数百円〜数千円の処分費を惜しんで怪我をしては元も子もありません。

処分の流れ(例)

  1. まずはお住まいの自治体のゴミ分別ルール(スプレー缶・危険物)を確認する。
  2. 「穴あけ不要」で回収してくれる自治体なら、指示に従って出す。
  3. 「穴あけ必須」や「回収不可」の場合は、無理に自分で処理せず、不用品回収業者や鉄くず業者に依頼する。

まとめ:椅子からガスシリンダーが抜けない対策

ここまで、ガスシリンダーの固着との戦い方について解説してきました。

頑固なシリンダーも、その構造を理解し、適切な道具を使えば必ず攻略できます。最後にポイントをおさらいしておきましょう。

  • 固着は故障ではなく、構造上の「仕様」と経年劣化によるもの。
  • ゴムハンマーは無力。重い金属ハンマーと450mm以上のパイプレンチを用意する。
  • 潤滑剤(ラスペネ等)を塗布したら、焦らず一晩待って浸透させる。
  • どうしても抜けない時は、専用工具を使うか、脚部ごと交換も検討する。
  • 廃棄の際は絶対に無理な穴あけをせず、自治体ルールや業者を頼る。

DIYでの交換は達成感がありますし、椅子への愛着も深まります。

怪我には十分気をつけて、快適な座り心地を取り戻してくださいね。

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この記事を書いた人

長年の編集者生活において、心身の不調をきっかけに「パフォーマンスを左右するツール」としての椅子の重要性を痛感。その経験から世界中のワーキングチェアを探求し、編集者ならではの客観的な視点と徹底したリサーチに基づき、専門的な情報を分かりやすく発信しています。あなたの健康と生産性を高める「運命の一脚」との出会いを誠実にサポートします。

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