オフィスチェアにフットレストはいらない？代用案と失敗しない選び方
こんにちは。プレステージチェア、運営者の「RYO-MA」です。
最近はテレワークの普及で多機能な椅子が増えましたが、オフィスチェアにフットレストはいらないのではないかと疑問を感じて検索する方が増えていますね。
実際に購入してみたものの足元が狭くて邪魔に感じたり、複雑な構造のせいで掃除が大変だったりと後悔する声も少なくありません。
また、座面が高くなってあぐらがかけないといった悩みや、ゲーミングチェア特有の圧迫感を避けたいという本音も見え隠れします。
決して安い買い物ではないからこそ、本当に自分に必要な機能なのかを慎重に見極めたいですよね。
- フットレスト付きチェアが抱える構造的なデメリットと身体への影響
- 実際のユーザーが感じる「邪魔」「掃除が面倒」というペインポイント
- あぐら派や小柄な人がフットレストなしモデルを選ぶべき理由
- フットレストなしでも快適に足を伸ばすための賢い代替アイデア
オフィスチェアにフットレストはいらないと感じる理由
かつては「機能が多ければ多いほど良い」とされてきたオフィスチェアですが、最近ではあえて「フットレストはいらない」と考える方が増えています。
これは単なる好みの問題ではなく、人間工学的な視点や日本の住宅事情、そして日々の使い勝手を考慮した結果、シンプルな構造こそが最適解であるという合理的な判断と言えるでしょう。
ここでは、なぜ多くのユーザーがフットレスト不要論を唱えるのか、その背景にある具体的な理由を深掘りしていきます。
足元が狭くてフットレストが邪魔になる問題
フットレスト付きのチェアを使ってみて最初に感じるストレス、それは「物理的な足元の狭さ」ではないでしょうか。
通常、デスクワークに集中しているときや、ふと前傾姿勢になったとき、私たちは無意識に足を椅子の座面下（手前側）に引き込む動作をします。しかし、収納式のフットレストがあると、その格納スペースが座面下の空間を占領してしまいます。
ここがストレス！
足を引こうとすると、ふくらはぎやカカトが格納されたフットレストの筐体やレールに「ガンッ！」
これが地味ながらも強烈なストレスになり、結果として足の自由な動きを制限してしまうのです。
また、日本のコンパクトな書斎やワンルームにおいて、フットレストを展開するには椅子の前方に60cm〜80cmのスペースを常に確保しなければなりません。
展開したままでは部屋の動線を塞ぐ「巨大な異物」となってしまい、結局は収納したまま使わなくなるケースが大半です。
購入後に使わなくて後悔するユーザーの本音
「仕事の合間にリクライニングして、さっと仮眠を取りたい」
そんな淡い期待を抱いてフットレスト付きモデルを購入したものの、実際にはほとんど使わずに後悔しているという声は非常に多いです。
その最大の理由は、「展開までの手順が面倒すぎる」ことに尽きます。
- レバーを操作してリクライニングを倒す
- 座面下に手を伸ばして、重いフットレストを引き出す
- 格納されているクッション部分を回転させてセットする
この3ステップを、ちょっとした休憩のたびに行うのは想像以上に手間です。
「それならベッドに移動して寝たほうが早いし快適だ」という結論に至るのに、そう時間はかかりません。
また、オフィスチェアは本来「座って作業する」ための道具であり、「寝る」ための道具ではありません。簡易的なフットレストでは安定感に欠け、熟睡するには程遠いというのが現実です。
構造が複雑で掃除がしにくい衛生面の欠点
長く使う上で意外な盲点となるのが、「掃除とメンテナンスの難しさ」です。
私は個人的に、ここが最も大きなデメリットだと感じています。
座面の下というのは、ただでさえ部屋のホコリや衣服の繊維、髪の毛などが集まりやすい場所です。
通常のシンプルな椅子であれば、サッと拭いたり掃除機をかけたりできますが、フットレスト付きの椅子はそうはいきません。
スライドレール、折りたたみヒンジ、パイプといった複雑に入り組んだ部品の隙間に、ホコリが容赦なく入り込みます。さらに厄介なのが、レールの滑りを良くするために塗られている「グリス（潤滑油）」の存在です。
このグリスにホコリが付着すると、ベトベトした黒い汚れの塊となり、掃除機では吸い取れなくなります。綿棒や歯ブラシを使って掻き出す必要がありますが、誤って触れれば服や手を汚してしまいます。
| 項目 | 通常チェア | フットレスト付き |
|---|---|---|
| 座面裏の形状 | フラットで単純 | レールやパイプで複雑 |
| 掃除方法 | 拭き掃除・掃除機 | 隙間ノズル・綿棒必須 |
| 汚れの種類 | 乾いたホコリ | グリス混じりの粘着汚れ |
座面が高くなりあぐらをかきにくいデメリット
「椅子の上であぐらをかきたい」という需要は日本特有のものですが、フットレスト付きチェアはこのニーズと衝突することが多いです。
フットレストを座面下に収納する構造上、どうしても座面全体の位置が高くなってしまいます。これにより、「最低座面高」が45cm〜50cmといった高めの設定になる製品が少なくありません。
日本人の平均的な体格、特に身長170cm以下の方や女性の場合、一番低い位置に設定しても足の裏が床にしっかりとつかない「足ぶらぶら」状態になりがちです。
これでは太ももの裏が圧迫され、血流が悪くなり、むくみや疲れの原因となります。
また、あぐらをかくために足を座面に乗せようとしても、座面下のレール機構が邪魔をしたり、高くなった座面のせいでデスクと膝が干渉したりと、快適なあぐら姿勢を取ることが難しくなるのです。
ゲーミングチェアにフットレストは必要か
ゲーミングチェア市場、特に1万円〜3万円台のエントリーモデルでは「フットレスト付き」が標準装備のようになっています。しかし、本当にゲームプレイや作業に必要でしょうか？
実は、Herman Miller（ハーマンミラー）やSteelcase（スチールケース）といった世界的な高級エルゴノミクスチェアメーカーは、本体内蔵型のフットレストをほとんど採用していません。
彼らが採用しない理由
それは、「着座時の安定性」と「正しい姿勢の維持」を最優先しているからです。
ハーマンミラーの公式ガイドでも、足は床に平らにつけることや、大腿部が圧迫されない姿勢が推奨されており、不安定な内蔵フットレストへの依存は本来の設計思想と異なります。
参考リンク：Herman Miller「エルゴノミックな自宅オフィスのセットアップ」
収納式フットレストは、細いパイプで足を支える「片持ち梁」のような構造です。ここに足の重みを預けると、どうしてもテコの原理で根元に負荷がかかり、ガタつきやたわみが発生します。
リクライニング時に重心が前に移動することで、椅子全体の安定性も損なわれます。
もしあなたが「安定した姿勢で長時間集中したい」と考えるなら、フットレストという不安定要素をあえて排除したモデルを選ぶ方が、結果として満足度は高くなるはずです。
オフィスチェアのフットレストがいらない場合の代替案
ここまで読んで「やっぱりフットレストはいらないかも」と思った方も、足を伸ばしてリラックスしたいという欲求自体を捨てる必要はありません。
内蔵型フットレストに頼らずとも、より快適で、よりスマートに足を休める方法はいくつも存在します。ここでは、私がおすすめする具体的な代替案をご紹介します。
後付けできる足置き台やスツールの活用法
作業中の姿勢改善やむくみ防止を目的とするなら、デスクの下に置くタイプの「フットレスト（足置き台）」の導入が最も効果的です。
これらは傾斜がついているものが多く、足首を適度な角度に保つことで、自然と背筋が伸びる効果があります。
また、中にはゆらゆらと動く「ロッキング機能」がついたモデルもあり、座りながら足首を動かすことで第二の心臓と呼ばれるふくらはぎのポンプ機能を刺激できます。
デスクの下に常設しても邪魔になりにくく、掃除の際は片手で持ち上げられる軽さも魅力です。「椅子と一体化している必要はない」と割り切るだけで、足元の環境は劇的に改善します。
足を伸ばすなら独立型のオットマンが最適解
もしスペースに余裕があるのなら、椅子とは独立した「置き型オットマン」を使うのが、間違いなく快適性の頂点（ベスト・プラクティス）です。
内蔵型フットレストとは比較にならないほどの「広い面積」と「安定感」があります。カカトまでしっかりと足を預けられますし、体重をかけてもグラつく心配がありません。
- 配置が自由：自分の足の長さに合わせて、好きな位置に置ける。
- あぐらが快適：椅子の手前に寄せて座面と連結させれば、広大なフラットスペースが生まれ、あぐらも余裕でかけます。
- 多機能：収納ボックス付きや、来客用のスツールとしても使える家具としての汎用性の高さ。
フットレストなしモデルを選ぶ機能的なメリット
あえて「フットレストなしモデル」を選ぶことは、コストパフォーマンスの観点からも非常に賢い選択です。
同じ価格帯（例えば2万円の予算）で椅子を探す場合、フットレストという複雑な機構にかかるコストを、「座面のクッション品質」や「アームレストの機能」に回しているモデルを選ぶことができます。
また、フットレストがない分、椅子本体の総重量が2kg〜3kgほど軽くなります。これは組立時の労力を減らすだけでなく、床への負担軽減や、キャスター移動の軽快さにも直結します。
「余計な機能を削ぎ落とし、本質的な座り心地に投資する」という考え方は、長く愛用できる椅子選びの秘訣です。
身近なものを代用してコストを抑える工夫
専用のオットマンを買う予算がない、あるいは物を増やしたくないという場合は、身近なアイテムで代用するのも一つの手です。
- ヨガブロックやフォームローラー：足裏のマッサージ効果も期待できて一石二鳥です。
- 硬めのクッションや座布団：使わないときは部屋の隅に置いておけます。
- 空き箱やプラスチックケース：強度があれば、タオルを巻くだけで簡易的な足置きになります。
要は「足の位置を少し高くして、太ももの圧迫を防ぐ」ことができれば十分なのです。まずは家にあるもので試してみて、必要性を感じてから専用品を検討しても遅くはありません。
まとめ：オフィスチェアのフットレストはいらないのか？
結論として、「オフィスやデスクで仮眠を取る場所が椅子の上しかない」という特殊な環境を除き、多くのユーザーにとってオフィスチェアの内蔵フットレストはいらないと言えます。
足元のスペースを奪い、掃除を困難にし、座面高を上げてしまうデメリットを受け入れてまで、たまにしか使わない機能を手に入れる必要はありません。
それよりも、基本性能の高いシンプルなチェアを選び、必要に応じて独立型のオットマンや足置き台を組み合わせるスタイルの方が、衛生的で、身体への負担も少なく、長期的な満足度は高くなるはずです。
あなたのワークスタイルに合わせて、ぜひ「引き算の美学」で椅子を選んでみてください。
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