オカムラのサブリナとシルフィーの違いを比較|後悔しない選び方
こんにちは。プレステージチェア、運営者の「RYO-MA」です。
「そろそろ自宅の椅子を本気で良いものに変えたい」「オフィスの椅子を入れ替える決裁権を持たされたけど、失敗は許されない」
そんなタイミングで情報を探していると、必ずと言っていいほど最終候補に残る2脚の椅子があります。それが、国内オフィス家具メーカーの雄、オカムラ(旧:岡村製作所)が誇る傑作、「Sabrina(サブリナ)」と「Sylphy(シルフィー)」です。
どちらも人間工学に基づいた素晴らしい椅子であることは間違いありません。しかし、カタログスペックを眺めているだけでは見えてこない、決定的な「性格の違い」が存在します。価格やデザインの違いはもちろんですが、座り心地の哲学、機能の有無、そして数年後の資産価値に至るまで、両者の溝は意外と深いのです。
特に、「前傾機能がついていると思って高いモデルを買ったら、実はついていなかった」「部屋に置いたら想像以上に圧迫感があった」といった失敗談は後を絶ちません。高い買い物だからこそ、絶対に後悔してほしくない。
今回は、長年オフィスチェアを見てきた私自身の視点と知識を総動員し、サブリナとシルフィーを徹底的に比較解剖します。あなたの体格、ワークスタイル、そして部屋の環境にフィットする「運命の一脚」を見つけるための、最も詳しいガイドマップをお届けします。
●この記事のポイント●
- サブリナの「追従」とシルフィーの「調整」という構造的な決定的な違い
- 作業効率を劇的に変える「前傾チルト機能」のモデル別搭載状況
- 見落としがちな「サイズ感」や「ヘッドレスト」の落とし穴
- 新品価格と中古市場で発生する「価格の逆転現象」の裏側
オカムラ製サブリナとシルフィーの違い|構造から分析

引用:シルフィー公式

引用:サブリナ公式
まずは、この2つのモデルの根幹にある「設計思想」と「構造」の違いについて、かなり深掘りして見ていきましょう。ここを理解すると、なぜ座り心地があれほど違うのかが手に取るように分かります。
背もたれの構造と座り心地の比較
サブリナとシルフィー、パッと見の雰囲気はどちらもモダンなメッシュチェアですが、背もたれが身体をどう支えるかというアプローチは、実は真逆と言ってもいいほど異なります。
まずサブリナ(Sabrina)ですが、この椅子のアイデンティティは、背面から見たときに美しい曲線を描く「リングフレーム構造」にあります。これは単なるデザイン上のアクセントではありません。樹脂製のフレーム自体が、剛性を保ちつつも適度にしなるように計算し尽くされて設計されています。
例えば、仕事中に凝り固まった体をほぐそうとグッと背伸びをしたり、後ろにある棚の資料を取ろうと斜めに振り返ったりしたとき。
サブリナのフレームは、その動きに合わせて柔軟に歪み、身体の動きに受動的に「追従」してくれます。ガチガチに固定された枠の中に座るのではなく、枠そのものが自分の動きに合わせて変形してくれる感覚です。
座り心地としては、少し硬めのしっかりしたテンションで、背中全体を面で支えてくれるような「頼れる安心感」があります。センターフレームがないため、背中への当たりが非常にソフトなのも特徴ですね。
対してシルフィー(Sylphy)は、「バックカーブアジャスト機構」という、オカムラが開発した画期的な調整機能を持っています。これは、座面横にあるレバーを操作することで、背もたれのカーブの形状そのものを物理的に変形させるというもの。
小柄な方や細身の方が座る場合、一般的な椅子では背もたれの幅が広すぎて、両サイドに隙間ができてしまいがちです。
シルフィーなら「ナローモード」に切り替えることで、背もたれの両端を内側に絞り込み、身体を包み込むようなホールド感を生み出せます。逆に大柄な男性なら「ジェントルモード」でカーブを広げれば、肩周りの窮屈さを感じることなくゆったりと座れます。
つまり、サブリナが「動きに合わせてついてくる」のに対し、シルフィーは「椅子の方から体に合わせに来る」能動的な「適合」構造なのです。これにより、まるでオーダーメイドスーツのように、どんな体格の人でも隙間なくフィットする「吸い付くような座り心地」を実現しています。
- サブリナ:「動的追従」。動き回るアクティブな座り方を好む人、適度な反発力が欲しい人向け。
- シルフィー:「静的適合」。じっくりと座って作業する人、包み込まれるフィット感を求める人向け。
前傾チルト機能の有無と重要性

プレステージチェア イメージ画像
ここ、購入前に知っておかないと致命的なミスに繋がるポイントです。特にPCでの執筆作業、イラスト制作、プログラミングなど、「前のめり」になる時間が長い方は絶対に押さえておいてください。
まず、「前傾機能(前傾チルト)」とは何か。通常の椅子はリクライニングで後ろに倒れるだけですが、前傾機能付きの椅子は、背もたれと座面を連動させて「前方に傾ける」ことができます。これにより、前のめりの姿勢でも骨盤が起きた状態をキープでき、お腹の圧迫を防ぎ、背骨のS字カーブを保てるため、腰への負担が劇的に軽減されます。
結論から言うと、シルフィーは全モデルでこの「前傾機能」が標準装備されています。エントリーモデルだろうがハイエンド仕様だろうが、シルフィーを選べば必ずこの恩恵を受けられます。これが「シルフィー最強説」を支える大きな理由です。
一方で、非常に注意が必要なのがサブリナです。サブリナには大きく分けて「スタンダード」と「スマートオペレーション」の2つのモデルラインが存在します。
- サブリナ・スタンダード:前傾機能がついています。シンクロリクライニングと共に、前傾ポジションでの作業をサポートしてくれます。
- サブリナ・スマートオペレーション:最上位モデルですが、なんと前傾機能がついていません。
「予算があるから一番高いスマートオペレーションを買おう。機能も全部入りだろう」と考えて購入すると、前傾機能がなくて後悔することになります。スマートオペレーションは、後述する手元操作の利便性を優先した設計になっており、構造上、前傾機能がオミットされているのです。前傾作業を重視するなら、サブリナの場合はあえて「スタンダード」を選ぶ必要があります。
ヘッドレストの後付けや固定の注意点
「とりあえず椅子本体だけ買って、必要になったら後でヘッドレストを買い足せばいいや」と考えている方もいるかもしれませんが、ここにも落とし穴があります。
シルフィーのヘッドレストは、基本的に「固定式」です。一部の海外製チェアのように、角度や高さを自由に動かせるわけではありません。
エクストラハイバックというモデルに一体化されているか、オプションで固定式のものを装着する形になります。そのため、自分の座高や首の位置に合うかどうかは、ある意味で「運次第」なところがあります。後から単品で購入しようとすると約2万円前後と割高になりますし、取り付けには背面の分解に近い作業が必要になる場合もあり、メーカー保証の対象外になるリスクもあります。
サブリナも同様にオプションで用意されていますが、こちらも基本的には購入時に装着モデル(エクストラハイバック)を選ぶのがセオリーです。デザイン的にも、サブリナのヘッドレストはリングフレームの流れを汲んだ一体感のあるデザインになっており、後付け感が出にくいのが特徴です。
私の経験則で言うと、「迷っているなら、最初からヘッドレスト付きのモデルを買う」か、潔く「ヘッドレストなしで使う」と割り切るのが賢い選択です。特に前傾姿勢での作業中は頭がヘッドレストから離れるため、必須ではないという意見も多いですね。
サイズと重量が設置環境に与える影響

プレステージチェア イメージ画像
ショールームの広い空間で見ると気になりませんが、自宅の部屋に入れると「デカい!」と驚くのがオフィスチェアあるあるです。特にサイズと重さは、生活環境に直結します。
実は、シルフィーの方がサブリナ(スタンダード)よりも約4.6kgほど重いんです。シルフィーは約24kg以上あり、かなりずっしりしています。24kgの塊がキャスターで動くわけですから、フローリングへの攻撃性は無視できません。賃貸物件などで床を傷つけたくない場合は、厚手のチェアマットの敷設がほぼ必須条件と言えるでしょう。
一方で、サブリナはスタンダードモデルなら約19.7kgと、このクラスの高機能チェアとしては比較的軽量です。20kgを切る軽さは、掃除のときにちょっと動かしたい、部屋のレイアウトを変えたいといった場面で、明確な扱いやすさとして感じられます。
ただし、サイズに関しては注意が必要です。
サブリナはデザインの特性上、奥行き(Depth)がシルフィーよりも12cmほど深い(約680mm)のです。この12cmの差は大きいです。狭い書斎や、背後にベッドや本棚がある環境では、サブリナの奥行きが動線を圧迫する可能性があります。「椅子を引いたら後ろの壁に当たる」なんてことにならないよう、事前にメジャーで設置スペースを測っておくことを強くおすすめします。
アームレストの可動域と操作性の差
肘掛け(アームレスト)は、肩こり軽減の鍵を握る重要なパーツです。ここにもそれぞれの性格が色濃く出ています。
サブリナのアームレストは、肘を置くパッド部分の面積が広く作られています。特に幅が広いので、キーボード入力の合間に肘をついて考え事をしたり、少しだらっとリラックスしたりするときに、この広さがラグジュアリーな安定感を生んでくれます。
対するシルフィーのアームレストは、高さ調整の範囲(ストローク)が優秀です。100mm(10cm)ほど上下に動かせるので、小柄な方や、デスクの天板と同じ高さにアームレストを揃えたい(マウス操作を楽にしたい)方には、非常に調整しやすい設計になっています。
また、サブリナの「スマートオペレーション」モデルに限っては、アームレストが特別な進化を遂げています。肘掛けの先端に操作レバーが内蔵されており、座ったままの自然な姿勢で、指先だけでリクライニングの固定・解除や座面の高さ調整が可能です。
座面の下に手を伸ばしてレバーを探る必要がないので、会議中や商談中など、スマートに振る舞いたい場面では圧倒的なアドバンテージになります。
オカムラ製サブリナとシルフィーの違い|選定決定版
構造的な違いが分かったところで、「じゃあ結局、自分にはどっちが合っているの?」という疑問にお答えしていきましょう。予算、市場価値、そしてライフスタイルに合わせた選び方の決定版です。
価格差と中古市場での価格逆転現象
まず新品価格の相場感ですが、一般的にサブリナの方がシルフィーよりも高価な設定になっています。特にサブリナ・スマートオペレーションは定価で20万円を超え、実勢価格でも20万円弱という高級機です。一方のシルフィーは、機能全部入りでも実勢価格で10万円前後から購入可能で、この「圧倒的なコストパフォーマンス」が爆発的なヒットの理由でもあります。
しかし、中古市場に目を向けると非常に面白い現象が起きています。シルフィーは「日本で一番売れているオフィスチェア」と言われるほど知名度が高く、企業からの指名買いも多いため、中古市場でも需要が途絶えず、値崩れしにくい傾向があります。
逆にサブリナは、元値が高い高級チェアでありながら、シルフィーほどの知名度がない、あるいはデザインの好みが分かれるためか、中古市場ではシルフィーと同じくらい、場合によってはシルフィーよりも安く取引されているケースが散見されます。
「予算は抑えたいけど、元々のグレードが高い良い椅子に座りたい」という方にとって、中古のサブリナ(特にスマートオペレーション)は絶好の狙い目です。定価の数分の一の価格で、当時のフラッグシップモデルを手に入れられる可能性があります。
在宅ワークで後悔しない選び方

プレステージチェア イメージ画像
テレワーク用に自宅に導入する場合、機能性だけでなく「部屋に馴染むか」「家族に嫌がられないか」も重要な選定基準になります。
サブリナのリングフレームは、センターフレームがない透過的なメッシュデザインなので、部屋に置いたときの視覚的な圧迫感が驚くほど少ないのがメリットです。後ろから見た姿が本当に有機的で美しいので、リビングの一角や、こだわりの家具で揃えたSOHO環境にはサブリナが映えます。「家具としての美しさ」を求めるならサブリナ一択でしょう。
一方、シルフィーは機能美を追求した結果、少しメカニカルで「事務機器」っぽい印象を受けるかもしれません。書斎や仕事専用の個室に置くなら全く問題ありませんが、生活空間に置く場合は、背面の樹脂パーツの色(ホワイトボディかブラックボディか)や張地の色を慎重に選んで、インテリアと調和させる工夫が必要です。
最近ではペールピンクやベージュなど、自宅向けの優しい色合いも人気ですね。
どっちがいい?体格と用途別のおすすめ
私なりの結論として、おすすめのユーザーを以下の表に整理しました。ご自身がどこに当てはまるかチェックしてみてください。
| おすすめのモデル | こんな人に向いています |
|---|---|
| シルフィー (Sylphy) |
|
| サブリナ (Standard) |
|
| サブリナ (Smart Op) |
|
異硬度クッションの硬さと疲れにくさ

引用:オカムラ公式
最後に、長時間座り続ける上で無視できない「クッションの質」について触れておきましょう。オカムラの椅子には「異硬度クッション」という独自の技術が使われています。これは、座面のウレタンを成形する際に、場所によって硬さを変える技術です。
- 座面前方(膝裏):柔らかくして、太ももの血流を妨げない(むくみ防止)。
- 座面後方(お尻):硬くして、骨盤をしっかり支える(姿勢安定)。
このグラデーション構造により、長時間座っても疲れにくいのが特徴です。両モデルともこの技術を採用していますが、実際の座り心地には微妙な差があります。
私の感覚や多くのユーザーレビューを参照すると、サブリナの方が全体的に「少し硬め」の座り心地に設定されているようです。リングフレーム構造による座面のテンションのかかり方が影響しているのかもしれません。
しっかりとした着座感を好む人にはサブリナが合いますが、ふんわりとしたソフトな座り心地を期待すると「思ったより硬い」と感じる可能性があります。
一方、シルフィーは「万人受けするバランスの良い硬さ」に調整されています。お尻が痛くなりにくい絶妙なバランスで、初めて高級チェアに座る人でも違和感なく受け入れられるでしょう。
人気の理由はデザインか機能性か
ここまで比較してきましたが、最終的には「何を優先するか」という価値観の問題に行き着きます。
サブリナは、イタリアの世界的デザインファーム「イタルデザイン」とのコラボレーションモデルです。
機能も十分高いですが、それ以上に「所有する喜び」や「空間の質を上げる」力があります。椅子を単なる道具としてではなく、インテリアの一部として捉えるなら、サブリナの美しさは代えがたい価値です。
対してシルフィーは、徹底的に「座る人を選ばない」という機能性を追求した結果のベストセラーです。誰が座っても、どんな体格でも、レバーひとつでピタッと合わせられる。この「失敗しない安心感」こそが、多くの企業導入や個人ユーザーに選ばれ続けている最大の理由でしょう。
オカムラのサブリナとシルフィーの違い|総まとめ
今回はオカムラの二大巨頭、サブリナとシルフィーについて、構造から市場価値まで徹底的に比較してきました。
- シルフィー:「合わせに行く」椅子。前傾機能標準装備でコスパ最強の万能型。迷ったらこれを選べば間違いなし。
- サブリナ:「しなって支える」椅子。デザインと質感を重視するプレミアム型。インテリアとの調和や所有欲を満たすならこちら。
- 注意点:サブリナの最上位モデル(スマートオペレーション)には前傾機能がないので要注意。
- 裏技:中古市場なら、サブリナの方が安く買える逆転現象が起きているので要チェック。
究極的には、「自分の背中を椅子に合わせてほしい(柔軟性)」ならサブリナ、「椅子の方から自分に合わせてほしい(調整力)」ならシルフィー、という選び方が一番しっくりくるかもしれません。
決して安い買い物ではありませんが、毎日何時間も体を預けるパートナーです。日割り計算すれば、健康と生産性への投資として決して高くはないはずです。
この記事が、あなたにとって最高の相棒を見つけるきっかけになれば嬉しいです。なお、正確なスペックや最新の価格、カラーバリエーションについては、ぜひ公式サイトや信頼できる販売店で確認してみてくださいね。